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知らなかった一面

母が痛い足を引きずって、地域の知人の家にお茶をしに行った。
そのときの話を電話で聞いた。

その女性は、母よりも年上の85歳くらいの一人暮らしの方だ。
これまで、母がその家を訪ねたという話は聞いたことがなかった。

父が逝ってしばらくたつと、その方から何度もお誘いを受けていたらしい。
4月に入り、気候も落ち着いてきたので、思い切っておじゃましてきたらしい。

そこで母は父の思い出話を聞いてきたと話してくれた。

小さい頃から、優しかった。
体が不自由な同級生に特に優しかった。
冬の登下校時に吹雪になると、
父はいつも自分のマントに小柄なその同級生を包み込み、
抱えるようにして歩いていたと、その方は話してくれたらしい。

その方は若くして無くなったが、
私が幼かった頃、よく父のところに来ていた。
二人でお酒を酌み交わしていた姿を 私も覚えている。

母が訪ねていった女性は、地域の公民館の近くで暮らしている。
父は公民館に用事があって出かけたときには決まって、
帰りしなに、彼女の家に声をかけていたらしい。
それがとてもうれしかったと言ってもらえて、母もうれしそうだった。

父  :「○○さん げんきがよ(元気ですか)。」
○さん:「お茶でも飲んでいがねがよ(飲んでいきませんか)。」
父  :「いやいや、そうしていらんにだ(そうはしていられないのですよ)。まだ、くっからな(またくるよ)。」

簡単な会話を交わすだけだったけれど、わざわざ声をかけに立ち寄ってくれたことを感謝していると母に伝えたらしい。

娘として、父にそんな一面があることを知らなかった。
この話を聞いて、とてもうれしくなった。
母にわざわざこの話を伝えてくださった方に、私こそ感謝の気持ちでいっぱいになった。
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by hanaatushin | 2013-04-14 03:25 | 思い出のひとこま